市長の意見書に対する当会の見解

争点は、防衛(戦争)に関する条例は自治体はつくれない(市長意見)か、
市民の安全・安心を守る条例として制定する(当会の見解)のか。です

 6日の本会議で、山田市長は「国際平和を願う多くの市民の方々の熱意を、重く受けとめていかなければならない」としつつも、条例に反対表明しました。これは、内容的に多くの市民の平和の願いをふみにじるものといわざるを得ません。

 反対の理由は、
(1)「平和的生存権」は憲法前文にあるので、条例に規定するまでもない。
(2)無防備地域宣言は「防衛に責任をもつ当局、すなわち、我が国においては、国において行なわれるべきもの」との国の見解があり、本市が宣言しても実質的な効力を有しない。
(3)法令に違反して、あるいは普通地方公共団体の事務に属さないものについて条例を制定することは、地方自治法に抵触する。
(4)当市は「平和非核都市宣言」を行い、平和の実現や非核3原則についての姿勢や考え方を明らかにしており、平和に対する施策についても行っている。

 以上4点をあげ、「条例案は、その必要性及び有効性は認められず、また、地方自治法に抵触するものであるため、条例制定は無理がある。」と結論づけました。

 無防備地域宣言が自治体もできることは、赤十字国際委員会の見解(コンメンタール)が国際的に有効です。これは戦争の犠牲者が増え長年の議論の末に、ジュネーブ条約追加議定書の条文に付け加わった重要な箇所です。住民保護の点から、国だけに任せていたのでは問題があるからこそ追加されました。その歴史的背景を無視している国の見解のみを市長は引用しています。

 2万の署名を「重たく受けとめる」のであれば、最低、赤十字国際委員会の見解より国の見解を優先する理由や、具体的にどういう法令に違反しているのかなどを説明する必要があると思います。
 4日に市長は請求代表者との面談の場で「真摯にうけとめたい」と明言しました。私達は「西宮市が平和非核・国際交流をすすめてきたことを発展させ、子ども達の未来のために、市民の安全・安心を守るための条例として制定してほしい。」と訴えてきました。

 「国がいくら戦争をしても住民は徹底的に保護されるべきである」ということが国際人道法の流れです。そこには、戦争を違法化し、戦争をなくす精神が込められています。「平和・無防備条例」は、戦争しない約束である平和憲法と国際人道法をいかし、市民の安全と安心を守る条例です。制定を求めます。