西宮市宣言&議会意見書


平和非核都市宣言 (西宮市 1983年)

 青い空、緑の大地、そして、おだやかな暮らしは、わたくしたち西宮市民のみならず、平和を愛するすべての人の願いです。
 そんな平和への願いとはうらはらに、世界はおろかにも人類を何十回も滅ぼすほどの核兵器を蓄積しました。
 核戦争に未来はありません。恐ろしい核兵器をつくってはならないし、持ってもいけないし、持ち込ませてもなりません。
 わたくしたちは、世界中に核兵器の廃絶を強く訴えるとともに、平和を愛する社会をはぐくみ、築くことを誓い、平和非核都市をここに宣言します。

  昭和58年(1983年)12月10日
西 宮 市

環境学習都市宣言 (西宮市 2003年)

 いま、地球は危機に瀕しています。これまでの社会経済活動や私たち人間のくらしが、地球温暖化や砂漠化などの問題を引き起こし、自らの生存基盤でもある環境を脅かしています。
 西宮市では、市民が主体となって、六甲山系の緑の山並み、武庫川・夙川などの美しい河川、大阪湾に残された貴重な甲子園浜・香櫨園浜をはじめとした豊かな自然を守るとともに、公害問題にも取り組むなど、良好な環境をもつ都市を目指してきました。また、阪神・淡路大震災の体験を通じて、自然の力の大きさとその中で生かされている私たちの存在を改めて学びました。
 西宮の環境を、そして地球の未来を次世代に持続可能な状態で引き継いでいくためには、私たち一人ひとりが社会のありかたやくらしを見直さなければなりません。
 環境学習とは、私たちのくらしが自然にどう支えられ、自然をどう利用してきたかを考え、環境に対する理解を深め、自然・歴史や文化・産業・伝統といった地域資源を活用しながら、地域や地球環境との望ましい関係を築いていくために学びあうことです。
 私たちは、世代を超えて、家庭・地域・学校・職場などの様々な場所で、市民・事業者・行政の協働によって、人と人との新しい交流を生み出し、環境学習活動を支えるしくみをつくっていきます。
 西宮に住み、学び、働くすべての人々が、文教住宅都市宣言(1963年)、平和非核都市宣言(1983年)の精神とあゆみを再認識し、環境学習を軸とした21世紀の持続可能なまちづくりを進めることをここに宣言します。

〔行 動 憲 章〕

 私たち西宮市民は、参画と協働の環境学習を通じて、21世紀の世界に誇ることのできる持続可能な都市を実現します。
  1. 私たちは、自然のすばらしさを体験し、歴史、文化や産業と環境との関わりを学びあい、環境に配慮した行動を実践できる市民として育ちます。
  2. 私たちは、市民・事業者・行政・各種団体・NPOなどとのパートナーシップの精神に基づいて、地域社会に根づいた環境活動を進めます。
  3. 私たちは、くらしと社会を見直し、資源やエネルギーを大切にした循環型都市を築きます。
  4. 私たちは、健康で文化的なくらしの中で、人と自然、人と人が共生する、公正で平和な社会を実現します。
  5. 私たちは、すべての生物が共存できる豊かな地球環境を次世代に引き継ぐため、環境学習を通じ、世界の様々な地域の人々とのネットワークづくりを行います。
  平成15年(2003年)12月14日
西 宮 市

イラク問題の平和的解決を求める意見書 (西宮市議会 2003年)

 国連イラク査察団が2月15日未明(日本時間)、イラクの大量破壊兵器問題に関して、国連安全保障理事会への追加報告を行った。その結果は、決定的根拠は得られなかったとしながらも、イラクは大量破壊兵器などに関する疑惑を解消するため、十分な協力を行っていないとして、「査察継続」の必要性を強調している。 安保理の多数の国も報告を受け「査察継続」を主張した。
 この安保理への追加報告と議論の内容は、査察の継続・強化によるイラク問題の平和的解決が現実に可能であることを示している。イラク政府は直ちに大量破壊兵器の開発・保有という野望を捨て、国際社会の懸念を払拭しなくてはならない。
 一方アメリカは、この査察結果に厳しい評価をするとともに、なおも武力行使の構えを強めている。武力行使はイラクの多くの罪無き民衆が傷つくと同時に、世界を破滅的危機に陥れることにもつながる。あくまでも国連を中心とした国際社会の連係を軸に、外交努力による平和的解決をめざすべきである。
 よって、政府におかれては、日本国憲法の平和条項と平和憲章の理念に沿った平和的解決の立場を明言するとともに、アメリカがイラクへの一方的な軍事行動を行うことに強く反対するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
西宮市議会
(提出先)
内閣総理大臣、外務大臣、内閣官房長官、衆議院議長、参議院議長
【平成15年(2003年)3月議会で採択】

沖縄の米軍ヘリ墜落事故に関する意見書 (西宮市議会 2004年)

 8月13日、沖縄国際大学で起きた米軍ヘリ墜落事故について、沖縄県民の命と財産を保護する観点から、政府に対し、原因究明、再発防止を強く要請する。
 日本および極東における国際の平和と安全のためとはいえ、沖縄県民が米軍基地に関して、多くの負担を引き受けていることや、日常的に生命の危険にさらされる状況については早急に改善しなければならない。
 私達は、普天間飛行場の代替施設が完成するまでの間の措置として、沖縄県民への危険を除去するために、下記の事項につき、政府の取り組みを強く要望するものである。
  1. 事故原因の究明と再発防止、普天間基地の早期移設・返還等、総合的な施策を推進すること。
  2. 事故原因や再発防止策について、米側から十分な説明と措置がなされるまでの間、政府は米側に対し、普天間飛行場での飛行訓練の停止を求め、沖縄県民の負担軽減を図るため、県外における訓練の分散についても、早急な検討を求めること。
  3. 本事件後の処置を踏まえ、日米地位協定について少なくとも事故現場における日米協力のあり方について、早急に改定作業に向けた検討に着手すること。
  4. 沖縄国際大学をはじめ被害者への完全補償を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
西宮市議会
(提出先)
内閣総理大臣、防衛庁長官、外務大臣
【平成16年(2004年)9月議会で採択】